今日の社会は、ビッグデータの時代と呼ばれ、さまざまな分野で大量かつ多様なデータが得られるようになって来ました。高校生の皆さんも、スマートフォンを使ってメッセージを交換したり、コンビニでポイントカードを使って買い物をしたりすることも多いのではないでしょうか。スマートフォンやコンビニのレジは、コンピュータのネットワークとつながっていて、メッセージや買い物の履歴はデータとしてコンピュータネットワーク上に蓄積されています。このようにして得られた大量かつ多様なデータがビッグデータです。そして、このビッグデータを対象とする学問分野がデータサイエンスです。
滋賀大学データサイエンス学部は2017年4月に開設されたデータサイエンスを体系的に学ぶ日本初の学部です。この学部ではビッグデータから有用な価値を引き出すことのできるデータサイエンティストを育成します。データサイエンティストに対する社会的な需要は非常に高く、データサイエンティストはさまざまな分野で活躍することができます。
この入門講義では、本格的なビッグデータを扱うことはできませんが、高校生にも身近な題材を用いて社会の課題を考え、データから有用な情報を引き出す方法について説明します。データ分析の具体的な手法は、主に高等学校数学Ⅰの「データの分析」で習う手法です。この講義では「データの分析」でならう手法を、どのように実際に役立てることができるか、ということについても学ぶことができます。