ラボの概要
AnyCompany では、毎日の業務遂行のために、ネットワークファイルシステム (NFS) ファイル共有が有効に活用されています。CIO は、プライマリデータセンターで災害が発生した場合、オンプレミスの NFS ファイルサーバーに保存したデータのバックアップと保護に懸念があると言っています。AnyCompany の予算は限られています。CIO は、管理のオーバーヘッドコストがかさむ高額なバックアップやレプリケーションソリューションよりも、ビジネスの改善に予算を使いたいと考えています。システムエンジニアのあなたは、次の基準を満たすソリューションを設計するよう求められました。
- 会社のデータセンターでの災害に備え、オンプレミスの NFS 共有データを保護する
- コスト効率を高める
- 毎日の運用のオーバーヘッドを低く抑える
- 既存データを迅速に移行する
- サポートチームの介入を最小限にするため、今後のデータをオフサイトの場所に複製する
あなたは入念なリサーチを行い、AWS DataSync と Amazon S3 File Gateway を使用した概念実証 (POC) を行うことにしました。
AWS DataSync は、次のように多くの要件を満たしています。
- 既存のデータを、オンプレミス NFS ファイルサーバーから Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) にコピーして、冗長的かつセキュアに保存する
- 最大 10 MBps のデータ転送速度で迅速に移行を行う
- ギガバイト単位のデータ転送価格モデルによりコストが抑えられ、また予想しやすい
- デプロイ時間を分単位で見積もり可能
ただし、DataSync のタスクは、自動ではなく手動で実行します。大量のデータの転送には理想的なソリューションですが、AWS Storage Gateway は、Amazon S3 との双方向のデータ転送を継続的に提供します。Amazon S3 File Gateway は、ファイルシステムにマウントされたディレクトリとして機能し、S3 バケットを保存先として使用します。ファイルゲートウェイの NFS ファイル共有が、既存のオンプレミス NFS ファイルサーバーと置き換わります。したがって、将来的にファイルサーバーの維持に必要とされる運用リソースが不要になります。
AWS DataSync、Amazon S3、AWS Storage Gateway の Amazon S3 File Gateway に関する要件、価格、よくある質問について、詳しくはラボの最後の 「その他のリソース」セクションを参照してください。
目標
本ラボを修了すると、次のことができるようになります。
- AWS DataSync エージェントを EC2 インスタンスとしてデプロイし、アクティブ化する。
- DataSync タスクを作成し、データを Linux ベースの NFS サーバーから Amazon S3 バケットにコピーする。
- AWS Storage Gateway のファイルゲートウェイアプライアンスを Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) インスタンスとしてデプロイしアクティブ化する。
- ファイルゲートウェイで NFS ファイル共有を作成する。
- ファイルゲートウェイで NFS 共有に接続するように Linux ホストを設定する。
所要時間
このラボの所要時間は 75 分です。
アイコンキー
このラボでは、さまざまな種類の手順と注記への注意を促すため、各種アイコンが使用されています。以下のリストは、各アイコンの目的を説明したものです。
- コマンド: 実行する必要があるコマンドです。
- 想定される出力: 出力のサンプルであり、コマンドまたは編集済みファイルの出力を確認するときに使用します。
- 注意: ヒントや重要なガイダンスです。
- 詳細はこちら: 詳細情報が記載されている場所です。
- 警告: 特記事項または重要な情報です (この情報を読み忘れても、機器やデータに問題が発生するというわけではありませんが、特定のステップを繰り返す必要が生じる可能性があります)。