ラボの概要
Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) は、インターネット上のどこからでも任意の量のデータを保存したり取得したりするために構築されたオブジェクトストレージサービスです。きわめて耐久性と可用性が高く、無制限にスケーラブルなデータストレージインフラストラクチャを低コストで提供します。
Amazon S3 は、異なる AWS リージョンにあるバケット間でオブジェクトを自動的に非同期コピーできるクロスリージョンレプリケーション (CRR) をサポートしています。クロスリージョンレプリケーションを使うと、以下のようなことが可能になります。
- コンプライアンス要件の準拠 – デフォルトで Amazon S3 のデータは地理的に離れた複数のアベイラビリティーゾーンに保存されるものの、コンプライアンス要件によっては、データをさらに離れた場所に保存するよう求められる場合がある。クロスリージョンレプリケーションでは、データを遠く離れた AWS リージョンにレプリケートできるため、そのような要件を満たせるようになります。
- レイテンシーの最小化 – ユーザーが 2 つの地理的場所にいる場合、オブジェクトのコピーをユーザーから地理的に近い AWS リージョンで保持することによって、オブジェクトにアクセスするときのレイテンシーを最小限に抑えられる。
- オペレーション効率の向上 – 同じオブジェクトのセットを分析するコンピューティングクラスターが 2 つの異なる AWS リージョンにある場合、オブジェクトのコピーがその 2 つのリージョンに保持されるよう選択できる。
- 異なる所有権によるオブジェクトのコピーの維持 – ソースオブジェクトを誰が所有しているかにかかわらず、レプリケート先のバケットを所有する AWS アカウントにレプリカの所有権を変更するよう Amazon S3 に指示できる。このオプションは「オーナーのオーバーライド」と呼ばれており、オブジェクトレプリカへのアクセスを制限するものです。
このラボでは、異なるリージョンの 2 つの S3 バケット間でクロスリージョンレプリケーション (CRR) を設定するプロセスを紹介します。
取り上げるトピック
このラボを修了すると、以下ができるようになります。
- バージョニングを有効にすることによるソースとレプリケート先 S3 バケットの作成
- クロスリージョンレプリケーションポリシーの作成
- バケット全体、暗号化されたファイル、特定のフォルダ、特定のタグのレプリケーション
- オブジェクトのレプリケーションに必要な条件の特定
- レプリケートされたファイルの削除と、どのように削除がレプリケートされるかの理解
技術知識の前提条件
このラボを完了するには、AWS マネジメントコンソールと Amazon S3 バケットの基本操作を熟知している必要があります。
アイコンキー
このラボでは、ガイドの特定部分への注意を促すため、さまざまなアイコンが使用されています。以下のリストは、各アイコンの目的を説明したものです。
- コマンド: このキーボードのアイコンは、コマンドを実行する必要があることを示す。
- 想定される出力: このクリップボードのアイコンは、コマンドの出力あるいは編集済みファイルの出力を、提示された例と比較することによって検証できることを示す。
- 注意: 注意のアイコンには、重要なヒント、コツ、ガイダンス、アドバイスが示される。
- 追加情報: 丸で囲まれた「i」は、詳細情報の記載場所を示す。
- 警告: 元に戻すことが不可能で、コマンドやプロセスの失敗に影響を与える可能性があるアクションに対して、特に注意を喚起します。(中には、いったん実行すると変更できない設定への警告もあります)
- コピー/ペースト: スクリプトの実行や、事前作成済みファイルの適用を行うことがある。このアイコンは、操作したスクリプトやファイルの内容を表示するときに使用されるコードブロックを表す