日本(人)にとっての歌舞伎とは?
経済学者が見た歌舞伎の面白さは?
金融財政/証券市場の学術専門家と歌舞伎文化ビジネスの企業人の2人が共同でお送りする異色のコラボレーション講座です。
日本の代表的文化(コンテンツ)であり、かつ歴史的エンターテイメント産業でもある歌舞伎・・実は、その演目には「お金」にまつわるお話も数多く作られており、その歌舞伎からうかがえる当時の庶民の暮らしや市井経済の仕組みはどうであったか、現代の経済学的視点で捉え直すことで、まったく違った視点での歌舞伎への新しい関心を持って楽しむことができます。
いつの時代も庶民の娯楽であり続けている歌舞伎の魅力をより理解するために、その発祥からのそれぞれの時代の暮し=歌舞伎を楽しむ人々の経済性や日常社会の産業構造の解説を糸口にして、今日の芝居興行=歌舞伎ビジネスの成り立ちと裏側までを、従来のとっつき難い経済学講座とは違った切り口で考察した、親しみやすい“やさしい経済学”へのオリエンテーションです。
コースは歌舞伎の時代変遷に沿って4つの部分に分かれています。
第1章と2章では、歌舞伎発祥からの歴史的背景と「お金」にまつわる演目を紹介しながら、その歌舞伎からうかがえる江戸時代当時の庶民の暮らしの様子や当時の貨幣価値の具体的検証を江戸幕府の統制の仕組みや経済政策との関連性と併せて解説。庶民の娯楽の中心であった歌舞伎は、芝居興行の礎だけでなく江戸の経済や各種文化産業の育成にも大きく貢献しており、経済学産業論視点からその後の日本文化や経済の近代化に果たした多様な役割を紐解きます。
第3章から4章では、歌舞伎の近代化100年の歴史として、明治22年の歌舞伎座の誕生以降、天覧の実現そして大正時代の黄金期、一方火災などによる消失と戦火占領軍による上演禁止演目命令などの苦難、そして今日に至るまでの商業演劇や娯楽産業の変遷の中で、歌舞伎がどのように興行ビジネス/エンターテイメント産業として経てきたのか、またこれからの日本における伝統演劇/日本固有文化の未来像や、コンテンツビジネス/グローバル化のあるべき姿を、受講生の皆さんとともに考察します。
Overview
Taught by
Takenaka Masato and Shirota Jun